image: sumiyoshi akiko“なんでもないたった6畳の白い部屋”
大学を卒業して、就職して、渋谷に通い始めて、暫く絶った頃。
自分の夢や本当にやりたかった事が一体何だったのかを見失いかけているのに気がついた。
デザインをしていると言いつつも、他人の言いなりに動かす手と自分の頭の中のイメージのギャップに耐えられなくなり、飛び出した会社を背に、何も持っていない自分をどうにかしたくて動き出した作家活動。
最後に貰ったほんの少しの退職金[1]とそれまで溜めていた衝動で決めた、展示。
昔、学生時代に始めて展示をしたデザインフェスタギャラリー[2]。
それは、なんでもないたった6畳[3]の白い部屋。
今でもそこに、強がりながら立ち向かう、あの頃の私が居るようだ。
お金を出せば誰でも借りられる場所。
それでも、私にとっては代える事の出来ない、忘れられないスタートライン。
referenced works
- 退職金:雇用者と使用者の間で結ばれる雇用関係が消失する際に、使用者より雇用者に支払われる金銭のこと。google mapにて「退職金」を検索すると、「退職金」という言葉の入った財団、社団、共済などが見つかる。 ↩
- デザインフェスタギャラリー:1998年より、さまざまな国の、さまざまなジャンルの、さまざまなアーティストの、作品の展示、販売、表現の場となっている。公式サイトによれば、2007年1月現在、出展者は21カ国、3900組にも上るという。 ↩
- 6畳:畳6枚分の広さを表す言葉。たとえ畳を敷いていなくとも、何畳という表現によって、日本人は部屋の広さを把握する。ただし、畳のサイズは地方によって異なるため、その広さを厳密に共有することは難しい。日本の昔話によれば、狸の睾丸は、8畳敷きと言われている。 ↩
location information
- 場所: 神宮前
- 時間: 午前中
- 緯度: 35.671191
- 経度: 139.708242
- 地図: Google Maps
commentary